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アラフィフオヤジの肉体改造Phase1(開始~90日)レポート

肉体改造Phase1(開始〜90日)総括|体重は減ったが…筋肉が溶ける「カタボリック」という最大の失敗

1. 90日間で達成した「現実的な成果」

本レポートは、肉体改造開始から90日間(2025/8/25~2025/11/22)の総括だ。この期間において、体重-2.9kg、体脂肪率-1.9%と派手さはないが、月1kgペースの減量という現実的な成果を達成した。

この90日間における最大の成果は「トレーニングの習慣化に成功したこと」。なかなか出ない結果に挫折しそうになった時期もあったが、脳科学/心理学の力を借りることで習慣化出来た。しかし、やっと体重が減りだしたと思ったら最大のリスクが顕在化した。それは「栄養不足と睡眠不足のコラボによるカタボリック(筋分解)」だ。

ただでさえ、年齢を重ねるにつれて筋肉量は減少していくのに、栄養不足や睡眠不足によって更に筋肉が減っていく…これでは健康的な生活を送るどころか病院送りになりかねない。それに気付けただけでも良しとしなければならないが。

肉体改造とは「運動・食事・生活習慣の三位一体で、身体を理想の状態へと変えていくプロセス」だが、今の私が習慣化出来ているのは運動だけ。よって、次の90日間の戦略は「残る食事と生活習慣についても改善を図り、新たな習慣として定着化させること」となる。

90日間の詳細データ、及び今後の具体的な取り組みについては、この後のセクションで紹介していく。

【注記】体重減少とともに筋肉量/基礎代謝量も減少するというカタボリック状態が明確となったのが肉体改造開始から97日が経過した第14週。本レポートではリスク管理の観点からあえて、期間外である第14週のデータも追加して可視化している。予めご了承頂きたい。

2. 身体データの実績:リアルな数値の推移が示す「挫折リスクとカタボリックの波」

肉体改造開始から90日時点での身体データの実績は、当初の目標であった「酷い肥満の改善」について、現実的な成果を示した。

  • 体重: 78.9kg →76.0kg(-2.9kg)
  • 体脂肪率: 28.6%→26.7%(-1.9%)

これらの実績は、運動習慣と食事改善(高タンパク質朝食)の結果、身体が「ダイエットモード」に移行したことの客観的な証明と言えるだろう。しかし、この成果の裏側に重大な問題が潜んでいた。下のグラフを見て欲しい。なお、危機的状況を説明するため、グラフでは直近の第14週までのデータを掲載している。

グラフ1:体重と体脂肪率の推移

90日間の肉体改造データ推移
90日間:体重・体脂肪率の推移

まず、注目して欲しい点は「開始から8週間、体重減少などの数値変動がほぼ無いこと」。私は運動の習慣化を最優先としたため、身体の変化が目に見えるまで2~3か月かかるのは覚悟していた。だが、自然と食事を変えてみようという思考になったため、7週目から食事にテコ入れした。数値が動いたのは、その3週間後の9週目だ。

開始時点から食事に手を入れていれば、結果は違っていただろう。「食事に手を入れず運動だけしていると、なかなか体重は減らない」という1つの事例と捉えて頂きたい。私は結果的に乗り切れたが、挫折しそうな時期もあった。これを読んでいるあなたがこれから肉体改造を始めるなら、運動に加え食事も手を入れることでより良い成果につながると思う。

また、運動を始めた初期は、身体が無意識に日常生活での動きを減らしてエネルギーを節約しようとする「代償作用(NEATの減少)」が働いた可能性もある。食事管理なしで、運動だけでアンダーカロリーを作るのは想像以上に難しいということだ。

グラフ2:筋肉量と基礎代謝量の推移

筋肉量と基礎代謝の推移(5週目以降)

※ 「防御期」戦略の最優先目標である「維持・増加」をモニタリングします。

次に注目頂きたいのが13週目以降。最低でも維持・出来れば増加させたい「筋肉量」と「基礎代謝量」が減少傾向に転じたこと。しかも(測定誤差の可能性もあり得る)1週間限定のトレンドではなく、2週間に渡り大きく減少し続けている。これは問題発生のシグナルと言えるものだ。

「体重は減少したが、筋肉量と基礎代謝量も減少した」という結果は、私の取り組みが「継続」という習慣化の壁は乗り越えたものの、「安全かつ継続的な成長」というレールには乗れていないことを明確に示している。

普通なら、ここで心が折れて止めてしまうだろう。しかし、私は止めなかった。何故なら、この90日間で「数値の結果」ではなく「行動の実績(トレーニングを今日やったこと)」に脳の報酬回路を切り替えることに成功していたからだ。

脳科学や心理学の知見を借り、小さな達成感を積み上げたことで「筋肉は減ったが、習慣という最強の武器は手に入れた」と前向きに捉えることができた。これが、次の90日を戦うための唯一にして最大の希望だ。

3. 最大の失敗と是正:現実主義の証明

肉体改造開始から13週間が経過した時点で、私は予期せぬ深刻な危機に直面した。それは「不健康な食品を避ける意識が強くなり過ぎた結果、必要なカロリーまで大幅に不足させていた」という、栄養戦略上の致命的なミスだ。

9週目から体重が減り始め、順調に肉体改造が進んでいるかと思いきや、13週目から2週連続で筋肉量/基礎代謝量が大幅に減少。毎日の摂取カロリーを商品の成分表示と一般的な食事のカロリー概算で計算した結果、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づく50〜64歳男性(活動レベル:普通)の1日あたり目標摂取量である2,600kcal※に対し、推定で約1,000kcalも不足している状態だった。

このカロリー不足は単なる減量の停滞に留まらず、今までの努力を根本から破壊する生理学的なメカニズムを引き起こした。

※【注記】「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」をもとに各団体、企業などが算出。50〜64歳男性(活動レベル「普通」)の1日あたり摂取カロリーは2,600~2,650kcal/日となっている。参考として、建帛社が公開しているレポートをリンクしておく。 日本人の食事摂取基準:建帛社

【データと科学が示す、失敗のメカニズム】

アラフィフオヤジの肉体改造:カタボリック/アナボリックのイメージ図20251213

データが示す筋肉量の減少(-0.65kg減)と基礎代謝の低下(-25kcal減)について調べた結果、下記の生理学的な連鎖反応の結果だったと考えられる。

コルチゾールの高進と「糖新生」による筋肉分解

調べてみて分かったことだが、慢性的なカロリー不足は身体にとって「飢餓ストレス」となるらしい。これに対処するため、コルチゾール(ストレスホルモン)が慢性的に過剰に分泌された可能性がある。

この高コルチゾール状態は筋肉のタンパク質を分解し、エネルギー源(糖)に変換する「糖新生(とうしんせい)」と呼ばれる働きを強く促進する。これが、いわゆるカタボリック(異化作用)の正体だ。私の「筋肉量減少」は、まさにこの反応だった可能性が高い。

さらに専門的な知見によると、私たち50代は若者に比べて、ただでさえ筋肉が合成されにくい「アナボリック抵抗性」という状態にあると言われている。つまり、「筋肉を作るのは若者の数倍大変なのに、壊れるときは一瞬」という厳しい現実がある。この年齢でのカロリー不足は、若者のダイエットとは訳が違う「危険行為」だったのだ。

成長ホルモンの抑制

カロリー不足と睡眠不足の複合ストレスは、筋肉の合成を促す成長ホルモン(GH)やIGF-1の分泌を著しく抑制するというデータもある。これにより、トレーニングで筋肉に刺激を与えても、回復・合成が追いつかない状態が生まれたと考えられる。

基礎代謝の低下

筋肉量の減少は、基礎代謝の低下に直結する。これは身体が「エネルギー節約モード」に入った証拠であり、リバウンドしやすい体質を作るという、長期的なリスクを示唆している。

つまり、私の努力は「精神的には成功」していたが、「生理学的・栄養学的には自己破壊を招く」という、最悪の矛盾を生んでいたということになる。

【心理学的な罠:意識高い系の完璧主義バイアス】

なぜこんな単純なミスをしたのか? それは「不健康な食品を避ける」という一点に集中しすぎて、全体像(総カロリー)が見えなくなる「認知のトンネル(トンネル視)」に陥っていたからだと思う。

「カップ麺を我慢した」「揚げ物を避けた」という「部分的な成功体験」が邪魔をして、「そもそも燃料が足りていない」という全体的な致命傷に気づかせなくしていた。「頑張らなきゃ」という真面目な思い込みこそが、実は一番の敵だったのだ。

判明した「防御のための栄養戦略」の必要性

今回の失敗から学んだことは、「筋肉を守るためには、カロリーとタンパク質の絶対防衛ラインを死守しなければならない」ということだ。

この失敗(カロリー不足とカタボリック)に気づいたのが、まさに90日目が終わろうとするタイミングだった。私は直ちに戦略の転換を決意した。具体的な対策は、次の章で述べるPhase2戦略の核となる。

4. 次の90日(Phase2)に向けた戦略と課題

「もし3ヶ月前に戻れたらどうしたいか?」と聞かれたら、私は「トレーニングだけでなく、トレーニングに見合ったカロリー(栄養)を満たすことにも最優先で取り組む」と答えるだろう。だから、これから始めるあなたには伝えたい。「運動するなら、その分だけ食べてくれ」と。

カロリー不足という罠は、結果的に努力を無駄にし、筋肉を分解し、心身の疲弊を招くという最悪の結果に繋がった。不健康な食品を避けるのは良いことだと思うが、それならもっと自分で学ぶか、専門家に相談するかのいずれかを選択すべきだった。これを読んでいるあなたには同じ経験をして欲しくない。

この失敗を踏まえた今後90日間の取り組みは「食事と生活習慣の改善を図り、新たな習慣として定着化させる。それにより身体の土台を再構築し、脂肪を減らし、筋肉を維持・増加させる」ことだ。今まで以上に困難なフェーズへ移行するが、下記戦略で乗り切っていこうと考えている。

1.栄養防御の徹底

  • 栄養管理の習慣化: カロリー計算アプリを用いてカロリー(2,600kcal/日)とタンパク質(140g/日)の確保を習慣化させ、カタボリックを防止する。
  • 時間栄養学の活用: ギリシャヨーグルトやカゼインプロテインなど、睡眠不足下での筋分解を抑制する「夜間の栄養防御策」を開始する。

2.睡眠の質の最大化と心身の防御

私の平均睡眠時間は、6時間未満。現時点ではダイエットや筋肥大に理想的とされる「7時間睡眠」の確保は不可能。このような制約下で肉体の回復を最大化するため、下記の施策を導入する。

  • 回復の質(Sleep Score)の追求: RHR/RPEのモニタリングにより、限られた睡眠時間における回復効率を最大化する。
  • 「心身の安全弁」の導入: RHRの平均値+5回上昇が2日続いた際にはトレーニングを完全に休止するという「心身の安全弁」を厳格に適用し、心身のトラブル発生リスクを排除する。

3.トレーニングの質的向上

負荷の上限固定を維持: 体組成が改善するまでは、全てのメニューをRPEレベル8以下で行う。下記いずれかに該当するまで回数/セット数は増やさない(全メニュー共通)。

  • 筋肉量の維持・増加が2週連続で確認されるまで
  • RPEスコアが6以下になるまで

負荷上限固定中は、フォームの安定とTUT(Time Under Tension)といった「質の向上」に注力する。RPE/RIRスケールについては下表をご覧頂きたい。

【参考】:今回導入した負荷制限は、「RPEレベル8(RIRレベル2)」でトレーニングを行えば、限界までトレーニングを行った人と比較しても筋肥大効果に有意な差は見られないという研究結果を根拠としている(2024年・Martin C. Refalo(マーティン・C・リファロ)らの研究結果)。

※このテーブルは、横にスクロールします。

RPEレベル きつさの目安 RIRレベル
RPE10 限界。これ以上、正しいフォームで1回もできない。 RIR0
RPE9 非常にキツい。正しいフォームであと1回はできる。 RIR1
RPE8 キツい。正しいフォームであと2回はできる。 RIR2
RPE7 結構キツい。正しいフォームであと3回はできる。 RIR3
RPE6 少しキツい。楽ではないが、まだ余裕がある。 RIR4
RPE5 そこそこ楽。継続できる。 RIR5+
RPE1~4 非常に楽〜楽。

これらの取り組みは、肉体改造Phase2(開始91日~180日)で順次導入を始めている。各施策の経過や結果については毎週の投稿で取り上げていく。今後も実践中に起こったリアルな出来事を発信していくので、楽しみにして頂ければ幸いだ。

【追伸】「毎週の投稿」については、こちらからご覧頂きたい。

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管理人

どん底から再起したアラフィフ実践者。根性論を捨て、「脳科学×本能」で心身を再構築する実録。意志に頼らず、サボりながら結果を出す「肉体改造」と「思考」の現実的戦略。

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