BLOG

「行動の記録」
それは、「進化の記録」でもある。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. Tailoring foods
  4. 関孫六 銀寿ST・出刃150㎜(左利き用)使用記録①

関孫六 銀寿ST・出刃150㎜(左利き用)使用記録①

この投稿は、貝印の「関孫六 銀寿ST 出刃包丁150mm」を使い、鯵とイシモチをさばいた結果をまとめたものだ。

使用者の技量(さばく技術や包丁研ぎのスキル)や環境(まな板等、包丁以外の使用機材)により、結果は変わってくると思う。よってあくまで一例に過ぎないが、本商品を検討している方の参考になれば幸いだ。

テストの概要

下処理中の鯵(脱水中)

下処理中の鯵(脱水中)

銀寿STの出刃を使い、鯵55匹とイシモチ7匹を実際にさばいてみた。
自家消費用なので、全てを一度に捌いた訳ではない。今回は4回に分けて作業を行った。詳細は下に記入しておくが、いちいち見る必要のない人がほとんどだろう。なので先に概要を記しておく。

なお、包丁のメンテナンスに使う砥石は貝印コンビ砥石(荒砥#400/中砥#1000)、面直し用の砥石はスエヒロ修正砥石WA300 (中~仕上砥石修正用)を使用した。

作業内容、及び数量

対象は先述の通り、鯵55匹とイシモチ7匹。大きさは鯵が20cm前後、イシモチが30cm前後だ。
出刃包丁を使った作業内容(工程)は下表の通り。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. 作業内容 数量
イシモチ
1 ウロコ取り 55匹 0匹※
2 エラ&内臓出し 55匹 7匹
3 三枚おろし 55匹 7匹
4 腹骨除去 55匹 7匹
5 アラ解体(頭割りのみ) 55匹 7匹

※イシモチのウロコはウロコ取りで取ったのでノーカウント。

切れ味/長切れチェック

作業開始時点から終了時までの切れ味の変化や刃欠け/刃こぼれの有無を以下に記す。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. Checkpoint 結果
1 作業回数 4回
2 切れ止みまでの処理数 平均10.6匹
3 刃欠け/刃こぼれ 無し
4 作業中断(切れ止みによる研ぎ直し等) 1回
5 研ぎ直し回数 5回

テストの総括/アクションプラン

刃欠け/刃こぼれ等、リカバリーに多くの時間を要する深刻なトラブルは発生しなかった。
しかし、切れ止みによる作業中断が1回発生。切れ止みまでの平均処理数は10.6匹となっている。

包丁の研ぎ方に問題がある可能性も高いが、以前使用していた包丁「関孫六 金寿ST 出刃包丁150mm(右利き用)」に比べて明らかに長切れしない。

改善策は、中砥石の変更と仕上げ砥石の追加。これにより長切れ度合いの改善を図ることにする。

なお、先述の通り作業は4回に分けて行っている。詳細に興味があるなら、下記も併せてご覧頂きたい。

テスト1回目(鯵とイシモチの処理・新品状態)

初回なので、いわゆる「箱出し」の状態で鯵とイシモチの下処理を行った。詳細は下表の通り。

作業内容、及び数量

作業内容(工程)は下表の通り。
今回の獲物は一部を冷凍保存、残りは3~4日で食べ尽くす予定なので、ウロコも全てこの段階で除去した。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. 作業内容 数量
イシモチ
1 ウロコ取り 55匹 0匹※
2 エラ&内臓出し 55匹 7匹
3 三枚おろし 10匹 0匹
4 腹骨除去 10匹 0匹
5 アラ解体(頭割りのみ) 10匹 0匹

※イシモチのウロコはウロコ取りで取ったのでノーカウント。

切れ味/長切れチェック

作業開始時点から終了時までの切れ味の変化や刃欠け/刃こぼれの有無を以下に記す。

左利き用の包丁を初めて使ったため、最初はその使い易さに感動して冷静に評価出来なかったが、箱出し段階での切れ味は「普通」。三枚おろしや腹骨のすき取りで、特に問題は感じないレベルだった。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. Checkpoint 結果
1 切れ味の変化 アラ解体で完全に切れ止む
2 刃欠け/刃こぼれ 無し
3 作業中断 無し
4 作業後の処理 研ぎ直し

上にも書いた通り、頭を割っているあたりでみるみる切れ味の悪化を感じ、作業終了時点では完全に切れ止んでいた。

アラの解体(鯵)

アラの解体(鯵)。余計な血を抜き、保存しやすくするため頭は二つに割っている。

刃欠け/刃こぼれはしていないので、貝印コンビ砥石の中砥(1000番)で研ぎ直す。

おろしたての包丁だからか、なかなかカエリが出ない。そして裏はたった1回の研ぎで傷だらけ…こんな状況に悪戦苦闘しつつも、何とか研ぎ終了。翌日のテスト(調理)に臨む。

テスト2回目(鯵の処理)

切れ止んだ包丁を研ぎ直し、2回目の下処理を実施。詳細は下表の通り。

作業内容、及び数量

対象は、鯵15匹。
叩き丼用の卸身作成が今日のミッションだ。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. 作業内容 数量
イシモチ
1 三枚おろし 15匹 0匹
2 腹骨除去 15匹 0匹
3 アラ解体(頭割り+背骨の切断) 15匹 0匹

切れ味/長切れチェック

作業開始時点から終了時までの切れ味の変化や刃欠け/刃こぼれの有無は以下の通り。
研ぎが甘かったのか、先日同様アラ処理完了時点で完全に切れ止んでしまった。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. Checkpoint 結果
1 切れ味の変化 アラ解体で完全に切れ止む
2 刃欠け/刃こぼれ 無し
3 作業中断 無し
4 作業後の処理 研ぎ直し

あまりに刃持ちが悪いので、砥石に問題があるのか?という疑念が湧く。そこで面直し砥石を当ててみた結果、結構凹んでいることが発覚。

中央が凹んだ砥石

中央が凹んだ砥石。軽く(10往復ほど)面直し砥石を当てた状態。

面直しを行い、その後平面を保った中砥で包丁を研ぎ直す。これで2回目の研ぎとなるが、初回よりもカエリが出るのは早かった。状況が好転するか、次回のテストが楽しみだ。

テスト3回目(鯵とイシモチの処理)

3回目の下処理を実施。詳細は下表の通り。

作業内容、及び数量

対象は、鯵16匹+イシモチ2匹。
鯵の叩き丼+昆布締め用の卸身作成が今日のミッションだ。まずは叩き丼用の鯵10匹をさばき、その後昆布締め用の鯵6匹+イシモチ2匹をさばくという工程で作業をスタート。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. 作業内容 数量
イシモチ
1 三枚おろし 16匹 2匹
2 腹骨除去 16匹 2匹
3 アラ解体(頭割り+背骨の切断) 16匹 2匹

…と、ここで問題が発生。

切れ味/長切れチェック

作業開始時点から終了時までの切れ味の変化や刃欠け/刃こぼれの有無は以下の通り。
鯵10匹の処理が完了した時点で完全に切れ止む。作業途中にもかかわらず、研ぎ直しを余儀なくされてしまった。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. Checkpoint 結果
1 切れ味の変化 鯵10匹の処理で完全に切れ止む
2 刃欠け/刃こぼれ 無し
3 作業中断 有り(研ぎ直し)
4 作業後の処理 研ぎ直し

研ぎ直し後に昆布締め用の魚8匹をさばく。ここでは切れ止むことなく作業は完了した。作業終了後、再度中砥で研ぎ直しを行う。研ぎが下手というのもあるのだろうが、骨の切断を始めると切れ止みが早い。この状況は改善しないのだろうか?

テスト4回目(鯵とイシモチの処理)

4回目の下処理を実施。詳細は下表の通り。

作業内容、及び数量

対象は、鯵8匹+イシモチ2匹。
漬け丼用の卸身作成が今日のミッションだ。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. 作業内容 数量
イシモチ
1 三枚おろし 8匹 2匹
2 腹骨除去 8匹 2匹
3 アラ解体(頭割り+背骨の切断) 8匹 2匹

切れ味/長切れチェック

作業開始時点から終了時までの切れ味の変化や刃欠け/刃こぼれの有無は以下の通り。

※このテーブルは右にスクロールする。

no. Checkpoint 結果
1 切れ味の変化 アラ解体で完全に切れ止む
2 刃欠け/刃こぼれ 無し
3 作業中断 無し
4 作業後の処理 研ぎ直し

作業中断は無かったものの、相変わらず処理完了時点で完全に切れ止む。だが、刃欠け/刃こぼれは一切なし。研ぎのスキルが高ければ何とかなるのかもしれないが、そもそもこの包丁はアラの処理には向いていないのだろうか?

テストの総括とアクションプラン

今回左利き用の包丁を初めて使ってみたが、利き手に合った包丁を使えばさばきやすく・仕上がりも良くなることを実感出来た。

但し、手放しで喜べる状態ではないことも分かった。今後の課題、及びアクションプランは下記の通りだ。

今後の課題

長切れ度合いをアップすること。これが最重要課題だ。
とにかく切れ止みが早過ぎる。切れ止みが早い=トータル工数が増加するということ。

包丁の研ぎ方にも問題があると思うが、他にも問題はあると思う。その理由は、今まで使っていた「関孫六 金寿ST 出刃包丁150mm(右利き用)」では中鯵10匹程度の処理で切れ止むことはなかったから。

正確にカウントしてはいないが、金寿STで中鯵を処理していた頃は20匹~30匹処理ごとに研ぎ直していたはずだ(1回の処理で約10匹消費し、2~3日ごとに研ぎ直ししていたので)。

「同じ人間が・同じ研ぎ方で・同じ環境下で」魚をさばいてここまで結果が違うとなれば、包丁自体の違いー重量や刃の材質などーに要因があるのではないかと思っている。この点は、テストを重ねることでさらに明確になっていくだろう。

アクションプラン

すぐに実行出来る改善策は、砥石の変更と追加だ。
シャプトン「刃の黒幕」の中砥と仕上げ砥を導入して作業時間を短縮しつつ、長切れ度合いの改善を狙っていく。

長切れ度合いに大きな影響を与えるのは鋼材や製造方法だと言われる。こうした根本的な問題は改善出来ないと思うが、少しでも状況が改善するのかを確認していこうと思う。…次回以降はもっと厳しい条件になるはずなので。

 

関連記事